日本の労働市場において、外国人労働者の受け入れは非常に重要なテーマとなっています。特に、人手不足が深刻な業界での外国人労働者の雇用に関する議論が近年活発で、特定技能制度を筆頭にさまざまな制度改革が進んでいます。

 

そこで本記事では、民間企業が実施した2024年の調査結果をもとに、外国人労働者の日本での就労意欲や特定技能制度への意識について詳しく見ていきます。

 

また、調査結果の概要とともに、特定技能ビザを活用した労働者の雇用方法についても解説します。

調査概要

この調査は、2024年1月18日から2024年2月1日まで、日本に在留する外国人を対象にインターネットを通じて実施されました。

 

調査には582名が回答し、主な国籍はベトナム(277名)、インドネシア(108名)、ネパール(65名)、中国(45名)、ミャンマー(33名)となっています。

 

また、回答者の在留資格は、留学(208名)、特定技能(171名)、技術・人文知識・国際業務(84名)、技能実習(58名)、特定活動(35名)などでした。

日本での就労意欲はやや低下

調査によると、現在の在留資格が切れた後も日本で働きたいと回答した人は91.0%でした。しかし、ポイントが高く見える一方で、これは2022年の調査結果と比べて5.8ポイント減少しています。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

 

この結果から、外国人労働者の日本での就労意欲がやや低下していることがわかります。

日本で働きたくない理由は「円安」がトップ

外国人労働者が日本で働きたくない理由としては、「円安」が38.5%で最も多く、次いで「労働環境」(30.8%)、「給料の低さ」(19.2%)などが挙げられました。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

 

特に円安の影響で、自国通貨に換算した際の収入が減少することが、外国人労働者の就労意欲に大きな影響を与えていることがわかります。

就職先を選ぶ時に重視するポイントは?

外国人労働者が就職先を選ぶ際に重視するポイントとして、1位は「給料」(69.8%)、2位は「仕事内容・職種」(65.1%)、3位は「勤務地」(51.9%)、4位は「自己成長環境」(51.2%)でした。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

 

また、特定技能ビザを持つ労働者は特に「人間関係が良い」職場環境を重視しており、この傾向は他の在留資格よりも顕著です。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

 

在留資格によって回答結果が大きく異なっているのが特徴的です。

特定技能1号での就労意欲

特定技能1号での就労意欲については、59.8%が特定技能1号で働きたいと回答しました。

 

特定技能1号で働きたい理由としては、「働きたい業界・職種があるから」(59.6%)が最も多く、次いで「自分のスキルを活かせそうだから」(39.5%)が続きました。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

 

一方、特定技能1号で働きたくない理由としては、「別の在留資格で働きたいから」(47.3%)が最も多く挙げられ、そのほかにも「永住権が取れる見込みがないから」、「給料が低いイメージがあるから」などの理由が挙げられました。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

 

着目すべき点は、2022年時の調査と比べて、「給料が低いイメージがあるから」、「技能実習と同じ仕事をするイメージがあるから」の回答が、それぞれ+4.8%、+6.6%と増加している点です。

 

特定技能1号については、外国人労働者の中では給与面や仕事内容に関して少しマイナスなイメージもあるようです。

特定技能2号に関する認知度と就労意欲

外国人労働者全体で、1号2号関わらず特定技能の在留資格の存在を知っている割合は92.5%となり、比較的新しい制度ながら認知度は高くなっています。

 

一方で、特定技能2号の対象分野が追加されたことの認知度については、76.8%が知っていると回答しました。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

 

また、特定技能2号で働きたいと回答した割合は63.6%で、その理由としては「永住できる可能性があること」(44.0%)や「家族帯同が可能なこと」(41.8%)が挙げられました。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

 

特に、現在特定技能1号で働いている外国人や技能実習生、「特定活動」で在留する外国人は、特定技能2号への移行を強く希望しており、国籍別で見るとインドネシアが61.7%と最も高くなっています。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

国籍別の就労意欲と傾向

国籍別に日本での就労意欲を見ると、インドネシア(94.4%)やミャンマー(97.0%)の労働者は、就労意欲が非常に高いことがわかりました。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

 

また、これらの国の労働者は特定技能ビザの認知度も高く、出入国在留管理庁が公表している特定技能在留外国人数の増加率が高い上位2か国とも一致しています。

 

現在日本では、インドネシア・ミャンマー人材を採用したいという企業も増加しており、今後も特定技能在留外国人数は伸びていくことが予想されます。

 

インドネシア・ミャンマー人材の特徴として、就職先を選ぶ際に人間関係を重視する割合が他の国(ベトナム、ネパール、中国など)よりも高いという特徴も本調査から見られるので、風通しの良い社内環境を整えることが定着率向上の鍵となりそうです。

 

出典:株式会社マイナビグローバル

今後は「特定技能」が外国人雇用の中心に

 

現在日本では、外国人労働者の受け入れにおいて「特定技能」の活用が急速に進んでいます。

 

2024年3月には、特定技能外国人の受け入れ枠の上限数や産業分野および業務の新規追加が閣議決定され、今後さらに在留数が増加見込みです。

 

日本の人手不足は今後より深刻になっていくことが予想され、政府は特定技能を中心に外国人雇用の制度を整備していくことが考えられます。

 

しかし、特定技能外国人の採用には手続きなど含め半年前後は時間を要するため、採用計画はできるだけ早めに立てておくことをおすすめします。

特定技能人材の紹介/支援に強い登録支援機関「Funtoco」

 

特定技能人材の紹介および支援が可能な「登録支援機関」である弊社「Funtoco」では、累計1,400名以上の特定技能外国人を企業様にご紹介、ご支援してきました。

 

圧倒的に高い人材定着率が強みで、Funtocoが紹介する特定技能外国人の企業定着率は全業種平均で85%以上、介護分野にいたっては90%以上となっています。

 

 

社員の半分近くを多国籍な外国人で占めており、紹介した人材や支援委託を受けた人材の支援を母国語で行える点も強みです。特に、介護人材や外食人材の紹介を得意としており、「ミャンマー」「ネパール」「インドネシア」の人材紹介に強い点も特徴です。

 

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