技能実習から特定技能への移行

技能実習2号までを良好に修了すると、特定技能への在留資格の移行が可能となっております。 移行に必要な条件などについてご説明いたします。
原則として、特定技能は対象の業種ごとに定められている特定技能試験と日本語能力試験に合格する必要があります。 ただし、同業種の特定技能へ移行する技能実習生に関しては、技能実習2号までを良好に修了した場合、試験の免除が適用されます。

技能実習修了後も引き続き雇用をしたい場合

技能実習が修了した後も引き続き雇用を続けたい場合にスタンダードになって来るのが、特定技能への移行です。 特定技能への移行には、技能実習2号までを良好に修了する必要があります。

技能実習1号→ ×特定技能
技能実習2号→ ◯特定技能
技能実習3号→ ◯特定技能

※技能実習3号からの移行の場合は、技能実習計画を満了(見込み含む)が必要になります。

特定技能への移行条件

全ての技能実習生が特定技能に移行できるわけではありません。特定技能試験の免除がされる代わりに、定められた基準を満たす経験や知識が必要になります。 技能実習から特定技能1号に移行する条件は下記の2つです。

・技能実習2号を良好に修了していること
・技能実習の職種/作業内容と、特定技能1号の職種が合致していること

現在は新型コロナウイルスの拡大の影響で、失業した技能実習生に対して特例措置を行っております。 定められた業種のみでしか就労ができませんでしたが、現在はコロナウイルスの影響で解雇された技能実習生は他業種でも労働が可能です。

詳細は下記、出入国在留管理庁のHPをお読みください。
「特定技能1号」に移行予定の方に関する特例措置について<出入国在留管理庁>
上記内容は状況に応じて変化していくものですので、随時ご確認をお願いいたします。

対象業種

原則として、特定技能は対象の業種ごとに定められている特定技能試験と日本語能力試験に合格する必要があります。
ただし、技能実習生に関しては技能実習2号までを良好に修了した場合は、試験の免除が適用されます。
    1.介護
    2.ビルクリーニング
    3.素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
    4.建設
    5.造船・舶用工業
    6.自動車整備
    7.航空分野
    8.宿泊業
    9.農業
    10.漁業
    11.飲食料品製造業
    12.外食業

移行の申請方法は通常の特定技能申請とさほど変わりませんが、 技能実習評価試験の合格証明書や評価調書が必要になります。
特定技能の受け入れには企業や特定技能外国人にもよりますが、通常1〜3ヶ月程度です。 技能実習から特定技能への移行の場合は2〜3ヶ月、技能実習から特定技能の移行が初めての場合は3〜4ヶ月前から準備した方が良いでしょう。
特定技能の申請は書類が多く複雑ですが、基本的には登録支援機関がサポートしてくれますので心配はいりません。
技能実習から特定技能
技能実習から特定技能へ移行する場合は、技能実習の在留資格期限内であれば、一時帰国の必要はありません。

帰国した元技能実習生を再雇用する場合

技能実習を修了し、帰国した元技能実習生を日本に呼び寄せて再度雇用することも可能です。
技能実習生でも、大学を卒業している場合などは就労ビザを取得できる可能性はありますが、就労ビザを取得するのはかなり難易度が高いです。
しかし、特定技能であれば、技能実習2号を良好に修了していることと、技能実習の職種や作業内容と特定技能1号の職種の合致の条件を満たしていることと、特定技能へ移行後の受入機関が決まっていれば、特定技能ビザの取得が可能です。
帰国した元技能実習生のビザを取得する場合は「在留資格変更許可申請」ではなく、「在留資格認定証明書交付申請」を申請することになります。
技能実習制度を利用して技能実習生を受け入れる場合は、初年度の費用だけで130万程かかります。その上、研修を行ったり、入国するまでの時間にも時間がかかります。 それに比べ、技能実習を修了した外国人を特定技能で雇用することは、格段に楽で、余計なコストもかからず、すぐに働くことが可能です。

まとめ

技能実習修了後も特定技能に移行することによって、再雇用が可能になります。
さらに、特定技能では受入機関の変更が可能なため、元技能実習生を新規に雇用することもできます。転職には外国人労働者が自ら行うのはハードルが高く、登録支援機関のサポートが必要になってくるので、転職のリスクは低いでしょう。
特定技能で雇用する場合は研修をする必要はなく、時間も費用もかかりません。 前提として、技能実習は実習が目的なのに対し、特定技能は就労が目的であります。
今までは技能実習が終わった後は帰国しかなかったのに対し、特定技能の新設で移行が可能になったことは、働きたい技能実習生にとっても、コストを抑えてすぐに人材確保をしたい受け入れ企業にとってもメリットだと感じます。 日本の人手不足の中でも特定技能の対象業種は特に人手が足りていない業種です。そういった点でも特定技能は活用すべき制度ではないでしょうか。