特定技能制度は、日本における労働力不足を補うための制度として、2019年に導入されました。多様な業種で外国人労働者が活躍し、日本経済の発展に寄与しています。
今回は、2024年6月末時点の最新データを基に、特定技能外国人の在留数や国別、業種別の内訳を分析し、どのようなトレンドが見られるのかを深掘りします。
また、特定技能外国人を受け入れる際のサポートを提供する登録支援機関の役割にも注目し、今後の外国人雇用におけるポイントを解説します。
特定技能制度とは?その概要と目的
特定技能制度は、2019年に労働力不足が深刻な12の産業分野で即戦力となる外国人労働者を受け入れるために設立されました。
この制度は、日本で働くための在留資格として、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類に分かれています。
特定技能1号
基本的な技術や知識、日本語能力を持ち、即戦力として働ける外国人が対象。最大で5年間、日本での就労が可能です。対象となるのは、介護、農業、製造業、建設業などの12分野です。
特定技能2号
より高度な技能を持ち、管理業務なども含めた専門的な職務に従事する外国人が対象。2号の場合、在留期間に制限がなく、家族の帯同も認められます。ただし、2024年時点では在留人数は非常に限られています。
特定技能外国人の全体像
2024年6月末時点での特定技能外国人の総数は251,747人に達しました。
これらの外国人労働者は、日本の人手不足に直面している産業を支える重要な存在です。
特に、製造業や介護分野などでは多くの外国人が働いており、それぞれの分野で重要な役割を果たしています。
総数:251,747人
上位業種:
飲食料品製造業:70,213人
介護分野:36,719人
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業:44,067人
外食業:20,317人
これらのデータは、日本の少子高齢化といった社会的な背景からも明らかであり、特に労働集約型の産業では外国人労働者が不可欠な存在となっています。
国別分析:特定技能外国人の主な出身国
特定技能(1号)外国人の国別の構成を見ると、以下の国が上位を占めています(2024年6月末時点)。
・ベトナム: 126,740人(総数の50.4%)
・インドネシア: 44,298人(17.6%)
・フィリピン: 25,303人(10.1%)
・ミャンマー: 19,058人(7.6%)
・中国: 15,660人(6.2%)
・ネパール: 5,383人(2.1%)
ベトナムが全体の50%以上を占め、圧倒的な存在感を示していますが、インドネシアやフィリピン、ミャンマーといった国々も大きな割合を占めています。
また、相対的にミャンマーやインドネシア、ネパールからの人材の伸びが大きく、勤勉な姿勢は各業種で高い評価を受けています。
業種別の特定技能外国人の状況
特定技能外国人の主な就労分野は、日本の経済活動に不可欠なものばかりです。ここでは、特定の業種についてさらに詳しく見ていきます。
・飲食料品製造業:
特定技能外国人の約28%がこの分野で働いており、特に加工食品の製造や梱包などの業務に従事しています。
・介護分野:
介護分野では36,719人が従事しており、今後も高齢化社会の進展に伴い、さらなる需要が見込まれます。
・外食業:
20,317人が従事しており、特に外食業界では、即戦力としての役割が期待されています。 これらの分野で働く外国人労働者は、特定技能制度の下で専門的な技能を習得しながら、現場での即戦力として活躍しています。
また、在留数の伸び率を相対的に見ると、介護業、建設業、農業、外食業の4業種の割合が毎年伸び続けている点も特徴です。
ミャンマー、インドネシア、ネパール人材の特徴
近年の在留数の伸びが大きいミャンマー、インドネシア、ネパールの人材は、それぞれの国に特徴があり、日本の企業にとって非常に価値の高い労働力となっています。
・ミャンマー:
ミャンマー人は、特に忍耐強く、真面目であるという評価を受けています。介護や外食業など、対人サービスが求められる分野で高い適性を示しており、特定技能外国人全体の7.6%を占めています(2024年6月末時点)。
・インドネシア:
インドネシア人は、勤勉さやチームでの作業に優れており、介護や農業、製造業分野での活躍が顕著です。しかし、宗教的な背景を理解したサポートも必要なため、登録支援機関などに受け入れ全般のサポートを依頼する企業が大半です。
・ネパール:
ネパール人は、まだ数は多くありませんが、外食業や介護業分野で特に活躍しており、5,383人が在留しています(2024年6月末時点)。彼らは、日本の文化や習慣に適応しやすいことから、企業への定着率が他の国よりも高いです。
優秀な特定技能外国人を採用する方法
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