海外から特定技能外国人を受け入れるためには、在留資格認定証明書交付手続や査証発給手続などの日本側の手続きが必要です。
これに加え、送出し国側でも一定の手続きが必要となり、国によってその内容が異なります。

今回は、海外からの求人〜入国において必要となる許可や手続(送出手続)について国別に解説します。
海外から日本に入国するまでの概要についてはこちらの記事をご覧ください。

インドネシアから特定技能外国人を受け入れる場合

①求人【インドネシア側の手続】

送出機関を通じて求人する必要はありません。
インドネシア政府が管理する求人・求職のための「労働市場情報システム(IPKO L)」に登録し、求人することが推奨されています。登録は無料でオンラインで可能です。
IPKOLのURLはこちら
②雇用契約の締結

受入機関、求職者双方の意思が確認されれば、特定技能に係る雇用契約を締結します。
③在留資格認定証明書の交付申請【日本側の手続】

受入機関が地方出入国在留管理官署に対して、在留資格認定証明書の交付申請を行います。
④海外労働者管理システム(SISKOTKLN)への登録
【インドネシア側の手続】

在留資格認定証明書を交付されたインドネシア国籍の方は、査証申請を行う前にインドネシア政府が管理する海外労働者管理システム(SISKOTKLN)に登録する必要があります。

本人が自らオンラインで登録します。登録完了後、移住労働者証(E-KTKLN)が発行されるため、これを取得した上で査証申請を行います
SISKOTKLNのURLのURLはこちら
⑤査証発給申請【日本側の手続】

上記③で郵送した在留資格認定証明書及び上記④で発行されたE-KTKLN等を在インドネシア日本国大使館・総領事館に提示し、特定技能に係る査証発給申請を行います。
⑥特定技能外国人として入国・在留【日本側の手続】

上記の手続きの後、上陸許可が下りれば特定技能の在留資格が付与されます。


ミャンマーから特定技能外国人を受け入れる場合

①求人【ミャンマー側の手続】

ミャンマー政府から認定を受けた現地の送出機関を通じて、求人を行います。
送出機関は受入機関から提出された求人票をミャンマー労働・入国管理・人口省(MOLIP)に提出し、求人票の許可・承認を得る必要があります。
②雇用契約の締結

受入機関は、送出機関から人材の紹介を受けて特定技能に係る雇用契約を締結します。
③在留資格認定証明書の交付申請【日本側の手続】

受入機関が地方出入国在留管理官署に対して、在留資格認定証明書の交付申請を行います。
④海外労働身分証明カード(OWIC)の申請
【ミャンマー側の手続】

ミャンマー国籍の方は、海外で就労する場合にはMOLIPに海外労働身分証明カード(OWIC)の申請を行う必要があります。
⑤査証発給申請【日本側の手続】

上記③で郵送された在留資格認定証明書を在ミャンマー日本国大使館に提示し、特定技能に係る査証発給申請を行います。
⑥特定技能外国人として入国・在留【日本側の手続】

上記の手続きの後、上陸許可が下りれば特定技能の在留資格が付与されます。


ベトナムから特定技能外国人を受け入れる場合

①求人【ベトナム側の手続】

ベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)から認定を受けた現地の送出機関を通じて、求人を行います
受入機関は送出機関との間で、募集する業種や募集人数・労働条件等を定めた「労働者提供契約」を締結することが求められます。
②雇用契約の締結

受入機関は、送出機関から人材の紹介を受けて特定技能に係る雇用契約を締結します。
③推薦者表(特定技能外国人表)の発行申請【ベトナム側の手続】

ベトナム国籍の方は、送出機関を通じてあらかじめDOLABから推薦者表の承認を受ける必要があります。
推薦者表は、ベトナム国籍の方が海外での就労についてベトナム側の手続を完了したことを証明する文書です。

この推薦者表は下記4の在留資格認定証明書交付申請において提出する必要があるため、受入機関は申請者に推薦者表の送付を依頼してください。
④在留資格認定証明書の交付申請【日本側の手続】

受入機関が地方出入国在留管理官署に対して、在留資格認定証明書の交付申請を行います。
2021年2月15日以降は、上記③の推薦者表の提出も必要となります。
同証明書が交付された後、雇用契約の相手方に対して同証明書の原本を送付してください。
⑤査証発給申請【日本側の手続】

上記④で郵送された在留資格認定証明書を在ベトナム日本国大使館に提示し、特定技能に係る査証発給申請を行います。
⑥特定技能外国人として入国・在留【日本側の手続】

上記の手続きの後、上陸許可が下りれば特定技能の在留資格が付与されます。


ネパールから特定技能外国人を受け入れる場合

①求人【ネパール側の手続】

送出機関を通じて求人する必要はありません。
受入機関がネパール国籍の方に対して直接採用活動を行うほか、駐日ネパール大使館に求人申込を提出することも可能です(有料)。
②雇用契約の締結

受入機関、求職者双方の意思が確認されれば、特定技能に係る雇用契約を締結します。
③在留資格認定証明書の交付申請【日本側の手続】

受入機関が地方出入国在留管理官署に対して、在留資格認定証明書の交付申請を行います。
④査証発給申請【日本側の手続】

上記③で郵送した在留資格認定証明書在を在ネパール日本国大使館に提示し、特定技能に係る査証発給申請を行います。
⑤健康診断・出国前オリエンテーション【ネパール側の手続】

ネパール国籍の方は、指定の医療機関での健康診断受診と出国前オリエンテーション(2~3日間)受講を求められます。
⑥海外労働保険・海外労働者社会福祉基金への加入【ネパール側の手続】

ネパール国籍の方は出国前に、海外労働保険への加入(保険内容の指定なし)や、海外労働者社会福祉基金への一定額の支払いを求められます。
⑦海外労働許可証の取得【ネパール側の手続】

ネパール国籍の方は、ネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局日本担当部門に対してオンラインで海外労働許可証の発行を申請し、同部門において海外労働許可証を取得する必要があります。
(出国審査において海外労働許可証の確認あり。) 以上⑤~⑦の手続の所要日数は、約10日間です。
⑧特定技能外国人として入国・在留【日本側の手続】

上記の手続きの後、上陸許可が下りれば特定技能の在留資格が付与されます。


(出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」参照)

まとめ

いかがでしたでしょうか。このように国によって受け入れの際の手続きが少しずつ異なるため注意が必要です。
現在はコロナの影響で、海外から特定技能外国人を受け入れることは難しい状況ですが、コロナが明ける頃にはまた多くの人材が特定技能ビザで入国することが予想されます。

インドネシア、ミャンマー人材の受け入れでしたら、現地のパートナーとともに国外からの受け入れも手厚くサポートさせていただきますので、何でもお気軽にお問い合わせください。